城下やえがき整形外科

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2025年06月10日 むちうちにも分類があります

交通事故や怪我やスポーツに頭部に強い衝撃が加わり、むちうち症状に遭遇することもあるかと思います。むちうちとは頸椎捻挫や外傷性頭部症候群といわれ、症状としては頸部痛や頭痛、耳鳴り、痺れ症状など多岐にわたります。程度や予後を知るためには、症状の把握と画像所見による正確な評価が必要となります。症状の分類としてケベック分類、ロンドン分類、WAD分類の大きく三つに分けられます。


今回はWDA分類について紹介します。

WAD分類(Whiplash Associated Disorders)とは
むちうち症の症状の重篤度をより広範に評価し、予後を予測します。症状の進行具合や後遺症のリスクに基づいて予後が異なります。

グレード 説明 予後
WAD 0 症状なし(無症状) 良好(通常回復)
WAD 1 軽度の症状(首や肩の痛み、こり、可動域制限のみ、神経学的所見なし) 良好(回復が早く、後遺症はほとんど残らない)
WAD 2 中等度の症状(首の痛み、神経学的異常あり) 良好〜中等度(治療が長期化する可能性あり)
WAD 3 重度の症状(強い痛み、広範囲な神経学的異常) 中等度〜不良(後遺症が残るリスクが高い)
WAD 4 重度の神経学的損傷(骨折、椎間板ヘルニアなど) 不良(回復には外科的介入が必要)

WAD 0(無症状)

  • 予後:非常に良好。症状がないため、後遺症が残ることはほぼありません。

WAD 1(軽度症状)

  • 予後:良好。軽い痛みやこり、可動域制限があるだけで神経学的異常がないため、予後は良好です。数週間以内に回復し、後遺症はほとんど残らないことが多いです。

WAD 2(中等度症状)

  • 予後:良好〜中等度。神経学的異常がある場合でも、適切な治療を行えば回復することが多いです。治療が遅れると、慢性化するリスクが高くなり、長期のリハビリが必要になることがあります。

WAD 3(重度症状)

  • 予後:中等度〜不良。広範囲な神経学的異常が認められる場合、治療には時間がかかり、後遺症が残る可能性があります。適切な治療を行っても、症状が慢性化するリスクが高く、長期的な治療やリハビリが必要となることがあります。

WAD 4(重度の神経学的損傷)

当院ではWAD4の様な症状では状況によっては早期に関連病院への紹介をしております。
また腕が痺れるなどの神経症状がある場合は、症状が長期化することがありますので、症状に応じた適切な治療を行い、後遺症を残さないようにしていきましょう。