城下やえがき整形外科

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2025年09月28日 変形性股関節症の保存療法について

「歩き始めに股関節が痛む」「長時間歩くとズキズキする」「靴下を履くのがつらい」
こんなお悩み、ありませんか?

もし、このような症状が続いているなら、それは「変形性股関節症」のサインかもしれません。

変形性股関節症は、関節の軟骨がすり減ることで痛みや動きの制限が起こる病気です。特に日本では、生まれつきの骨盤の形の関係(寛骨臼形成不全)から、女性に多く見られる傾向があります。

「年だから仕方ない」「手術しないと治らない」とあきらめてしまう方も少なくありません。しかし、**手術以外の方法で症状を和らげ、進行を遅らせる「保存療法」**で、快適な毎日を取り戻せる可能性があります。

今回は、当院でも力を入れている「変形性股関節症の保存療法」について、そのポイントを詳しく解説します。

あなたの股関節痛、本当の原因は?

股関節の痛みの原因は一つではありません。

  • 関節の中の問題(関節内病変):軟骨のすり減り、関節唇(軟骨の土手)の損傷など。

     

  • 関節の外の問題(関節外病変):筋肉や腱、神経のトラブル。

     

  • 他の場所からの痛み(関連痛):腰や骨盤の問題が、股関節の痛みとして感じられることもあります。

     

  •  

変形性股関節症は「関節の中の問題」が主ですが、進行すると周りの筋肉が硬くなったり、痛みをかばうことで体の使い方がアンバランスになったりして、他の原因も複雑に絡み合ってきます。

なぜ痛みが起こるのか?変形性股関節症のメカニズム

健康な股関節の軟骨は、非常に滑らかで、なんと氷の上をスケートで滑るよりも摩擦が少ないと言われています。このおかげで、私たちはスムーズに股関節を動かすことができるのです。

しかし、変形性股関節症が進行すると、


  1. 軟骨がすり減り、そのかけらが関節の中で炎症を起こす(化学的な痛み)。

     


  2. 関節を支える安定性が失われ、骨や周りの組織に直接負担がかかる(機械的な痛み)。

     


  3. 痛みをかばうことで、歩き方や筋肉の働きがアンバランスになり、さらに負担が増えるという悪循環に陥ります。

     

  4.  

病期はX線(レントゲン)写真で関節の隙間の広さなどを見て、初期・進行期・末期に分類されます。初期は痛みが中心ですが、進行するにつれて関節が動く範囲が狭くなっていくのが特徴です。

手術だけじゃない!「保存療法」という選択肢

保存療法の目的は、痛みを和らげ、病気の進行を食い止め、日常生活をより快適に送れるようにすることです。特に、以下のような方は保存療法で高い効果が期待できます。

  • 下肢の筋力が一定レベル以上保たれている

     

  • 腰椎や仙腸関節の問題が深刻でない

     

  • 「歩くとき」の痛みが主な症状である

     

  • 骨盤の傾きを変えるなど、特定の体の使い方で痛みが軽くなる

     

  •  

心当たりはありますか?一つでも当てはまるなら、保存療法を試す価値は十分にあります。

専門家による多角的なアプローチ

当院の保存療法では、単に痛み止めや湿布を処方するだけではありません。理学療法士などの専門家が、患者さん一人ひとりの体の状態を詳細に評価し、最適なリハビリテーションプランを立てていきます。

X線写真だけでは分からない、あなたの体の「クセ」を見つけ出します。

  • 骨盤の傾きと動き:骨盤が前に傾きすぎているか、後ろに傾きすぎているか。

     

  • 股関節の可動域:特に股関節を伸ばす動きが制限されていないか。

     

  • 股関節の伸展制限(後ろに伸ばす動きの制限)は、多くの方に見られる問題です。これは、腸腰筋などの筋肉が硬くなっていることや、関節内の圧力が高まっていることなどが原因です。この制限を改善するだけでも、歩行時の痛みが劇的に改善することがあります。

     

     ①軟部組織の短縮:腸腰筋や大腿筋膜張筋など、股関節前面の筋肉や靭帯が硬くな  
      る。

     ②関節内圧の上昇:股関節伸展位は、関節内が最も窮屈になるポジション(Close-
      packed position)であり、炎症があると圧力の上昇が痛みを誘発する。

     

     ③適合性の不良:変形した骨頭と臼蓋がうまくかみ合わず、伸展時に衝突(インピンジ
      メント)を起こす。

     

  • 筋肉のバランス:硬くなっている筋肉、弱っている筋肉はどれか。

     

  • 歩き方の分析:歩行中に股関節や骨盤がどのように動いているか。

     


評価に基づいて、以下のようなアプローチを組み合わせて行います。

  • 拘縮(こうしゅく)の除去:硬くなった筋肉や関節の袋(関節包)をストレッチなどでほぐし、関節の動きをスムーズにします。特に、股関節の前側や内側の筋肉の柔軟性は非常に重要です。

     

  • 筋力強化:お尻の筋肉(殿筋群)など、股関節を安定させるための筋肉を鍛えます。

     

  • 動作指導:骨盤の傾きを意識した立ち方や歩き方を習得し、股関節への負担が少ない体の使い方を身につけます。

     

  •  

まとめ:その痛み、専門家と一緒に改善しませんか?

変形性股関節症の痛みは、単に関節だけの問題ではなく、体全体のバランスや使い方と深く関わっています。だからこそ、専門家による多角的な視点での評価と、一人ひとりに合わせた治療が不可欠です。

「もう年だから…」とあきらめる前に、ぜひ一度、当クリニックにご相談ください。あなたの痛みの原因を一緒に見つけ、最適な治療法をご提案します。快適な毎日を取り戻すための一歩を、私たちと一緒に踏み出しましょう。

勿論、当院ではMRI検査等で手術が必要な病状や症状の患者さんには、手術可能な病院へ紹介をしています。手術後のリハビリにも力を入れております!!