城下やえがき整形外科

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2025年06月30日 梅雨と気象病

お世話になります。今月のコラムでは、6月14日に東北地方が梅雨入りしたことを受け、「気象病」について取り上げさせていただきます。

青森県を含む東北北部の梅雨入りは平年より1日早く、今後しばらくは気象の変化が続くことが予想されます。

 

この時期、「雨の前になると頭痛がする」「関節が重く感じる」「なんとなく体がだるい」など、気象の変化にともなう不調を感じる方も少なくありません。

これは、気圧や湿度、気温の変動によって自律神経のバランスが乱れたり、体内の水分代謝が悪くなったりすることによって生じるとされ、「気象病(天気痛)」と呼ばれます。特に梅雨の時期はその傾向が強く、関節痛、頭痛、めまい、倦怠感、不眠などさまざまな症状を引き起こすことがあります。

 

◆ 気象病の主な要因と症状

• 気圧の低下により、体内の圧力バランスが乱れ、関節や神経が刺激されやすくなる。

• 湿度の上昇で体内の水分代謝が低下し、関節周辺のむくみや炎症が起きやすくなる。

• 気温の変化で筋肉がこわばり、関節に余分な負担がかかる。

• 自律神経の乱れによって睡眠の質が低下し、慢性的な疲労感や精神的な不調につながる。

 

◆ 気象病に対する対処法と整形外科的アプローチ

① 薬物療法

・鎮痛薬(NSAIDs)などによる痛みや炎症のコントロール

・症状に応じて、漢方薬(五苓散、当帰芍薬散など)を併用することで、体内の水分バランスや自律神経の調整を図る場合もあります。

② 生活習慣の見直し

・適度な運動:関節の可動域を保ち、筋肉の柔軟性を維持することにつながります。

・規則正しい睡眠:自律神経の安定に欠かせません。特に梅雨時期は睡眠の質が下がりやすいため、寝室の湿度や温度にも配慮しましょう。

・入浴:ぬるめのお湯にゆっくり浸かることで血行を促進し、リラックス効果も得られます。

・短期間作用型の新薬も出ているので 不眠症の簡単な薬や漢方で整えると良いかもしれません。

・あと 不得意な勉強(私は英単語の勉強)をするとすーーーと眠れるのは私だけでしょうか??

③ 装具の使用

・関節サポーターや保温グッズなどを活用することで、冷えや負担が軽減されます。

④ マッサージやセルフケア

・首・肩・耳まわりのマッサージによって血行を促進し、頭痛やめまいの予防にもつながります。

⑤ ストレスケア

・気象病はストレスによる自律神経の乱れとも深く関係しています。呼吸法や瞑想などのセルフケア、また音楽や散歩など、自分なりの「気分転換法」を持つことが大切です。

 

当院では、患者様の健康維持に役に立つ情報をお届けるするための健康教室を開催しています。今月のテーマは、「天候の変化による痛みについて」です。

気象病について詳しくお知りになりたい方はぜひご参加ください。

 

◆ お困りの際はご相談ください

もし症状が1週間以上続く場合や、日常生活に支障をきたすような痛み・不調がある場合は、我慢せず医療機関へご相談ください。

当院では、薬物療法に加え、漢方処方・装具提案・リハビリ的アプローチなども含めた多角的な治療を行っております。また、睡眠や生活習慣の見直しに関するアドバイスも可能です。

お一人おひとりの症状に応じた対応を心がけておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

※参考:気象病チェックリストと対処法(日本気象協会)